~Niho~ ウルトラランナー 坪井伸吾さんスペシャルレビュー

サングラス

坪井伸吾
1963年和歌山県生まれ。ライター。元郵便局員。
大学時代に海外ツーリングにのめり込み、北米横断、オーストラリア一周。 ヨーロッパを走る。卒業後アラスカに飛び、北中南米縦断。 アフリカ中東を走り世界一周、合計6年16万キロ。 海外ツーリング愛好団体WTN-J主催者。南米にいた1992年にアマゾン川 イカダ下り5,000キロ。2005年、ランニングで単独北米横断5,400キロ。 2025年4月から9月、ポルトガルからトルコのイスタンブールまで、 ヨーロッパ4,000キロをランニングと徒歩で旅する。趣味は世界の釣り。
著書『アマゾン漂流日記』、『僕流その日暮らし』(窓社)。 『世界一周バイクの旅』、『ロスからニューヨーク走り旅』、 『子供たちよ、冒険しよう(共著)』 (ラピュータ出版)。

~タフな使用にも耐える信頼感~

右目に翼状片というデキモノがある。白目の組織が黒目部分に侵入してくる病気で、原因は紫外線の浴びすぎと言われている。気づいたのは30年以上前。ブラジルを旅していた頃だった。何が原因か考えると、ペルー、チチカカ湖の小島で、雪目のような状態になったことかもしれない。


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 (左:アマゾン川イカダ下り5,000km / 中:パプアニューギニアにて / 右:北米大陸横断ラン5,400km)


紫外線と言われると、他にも思い当たることは山ほどある。
2005年にロスアンゼルスからニューヨークまで、一人で走った(ランニング)。炎天下で毎日、イヤというほど日差しを浴びた。旅用のサングラスは濃い色のレンズを選んだが実際に使うとそれがベストとはいえなかった。なぜなら天気は頻繁に変化し、激しい通り雨も来る。サングラスのレンズの色が濃いと、急に暗くなった時に周りが見えにくくなる。夕刻、薄暗くなりつつある中で西日が強烈なシーンでは明暗のコントラストが激しくなおさら見えにくかった。思い出せばサングラスに小さな不満は日々感じていて、当時の日記を読み返しても記録は残っている。 北米横断から20年。日本では釣り以外にサングラスは使っていなかった。偏光レンズは気に入っていたが、やはりレンズの色が濃すぎて見づらく、頻繁に着脱していた。裸眼とサングラス使用時の景色の見え方にも違和感があった。色味や濃度の変化がありすぎるのだ。 2025年春、定年を機に、ユーラシア大陸最西端、ポルトガルのロカ岬から東に向けて走りだす計画を立てた。サングラスについても検討し直す必要があった。この20年で目の状態は悪化した。翼状片に加え、近視、老眼、そして緑内障まで増えていた。


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 (左:Nihoを使いヨーロッパ横断歩き旅 4,000km / 右:フランスのぶどう畑を仲間たちと歩く)


4月18日、ロカ岬をスタート。春でも思ったより太陽が眩しい。Nihoのサングラスを取り出す。さてどうだろう。街中と旅では、サングラスに求める要素が違う。過去に感じた小さな不満に対応してくれるだろうか? 現地でザックから取り出すとドキドキする。手に持つと改めて軽いと思う。硬すぎないフレームは落としても壊れないだろう(実際大丈夫だった)。偏光レンズはどうだろう? 眼前の美しい景色が別の色に見えて欲しくはないのである。Nihoは期待通り、美しい景色はそのままで眩しさだけを取り除いてくれていた。走ったり歩いたり坂を上ったり下りたり、行動のパターンは変わるのだが、激しく行動してもサングラスがズレないので、そのうち使っていることを忘れていた。


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 (坪井さん着用モデル。薄色偏光レンズがお気に入り / 顔や鼻のサイズに合わせフィット感が変更でき、ズレにくい構造)


リスボンを越えて巡礼路に入る。目指す町は聖地サンチャゴだ。北を目指す欧米の巡礼者たちもサングラスをしている。大西洋沿いの道に出ると、長い砂浜が続く。海からの風に巻き上げられた砂が横から吹きつけてくる。Nihoのサイドカバー(フード)を付ける。砂を完全に防ぐのは無理だが、あるとないとでは大違いだ。 毎朝早くに出発するので夕方までには宿に着くが、到着が遅い日は西日を真横から受ける状態になる。その時もサイドカバーは有効だった。


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 (左:ポルトガル・リスボンの風景 / 右:光や砂埃を効果的にカットするサイドフード)


聖地サンチャゴを越え、進路を東に向ける。ここからは毎日、午前中は正面からの朝日を浴びることになる。スペインの平原から朝日が昇る。その瞬間からサングラス無しでは進めない。太陽の高度が低い日が昇ってからの数時間は、特に厳しかった。

スペインからピレネー山脈を越えフランスへ。EU滞在日数期限の限界が来て、EU圏外ボスニアへ飛ぶ。セルビア、北マケドニア。そこからトルコのイスタンブールまで4000キロ。5か月かけて徒歩で旅した。晴れの日、雨の日、風の日、旅の間さまざまな条件下でNihoのサングラスにはお世話になった。 また次の旅でもお世話になりたいと思う。

ライター 坪井伸吾