
小松由佳
1982年秋田県生まれ。登山家・ドキュメンタリーフォトグラファー。|2児の母
登山に魅せられ、“世界で最も困難な山”と称される世界第2の高峰K2(8611m / パキスタン)に日本人女性として初めて登頂。
植村直己冒険賞受賞(2006年)。やがて風土に生きる人間の暮らしに惹かれ、草原や砂漠を旅しながらフォトグラファーを志す。
2012年以降シリア難民をテーマに取材。
著書に『人間の土地へ』(集英社インターナショナル)。
~日常に溶け込む、頼れる相棒~
私にとってサングラスとは、「特別な場面で使うもの」という認識でした。強い日差しから目を守るための、どちらかといえば機能性を最優先する道具。そんな固定観念が染み付いていたのは、おそらく、かつてヒマラヤの高峰を目指した経験があるからかもしれません。
標高数千メートル、雪と氷に覆われた世界では、サングラスは目を保護するために必要不可欠な道具にすぎず、ファッション性など二の次でした。特に標高5000メートルを越えるヒマラヤの高峰では、紫外線や、雪面からの太陽光の照り返しが大変強烈です。2~3時間でもサングラスをしなければ、角膜の表面が傷つき、痛みのために目を開けにくくなる「雪眼炎(せつがんえん)」になってしまう可能性もありました。そのような当時の私にとってサングラスは、過酷な自然と対峙するための道具のひとつにすぎませんでした。

しかし今回、このサングラスを使用し、それまでの長年の固定観念が崩れていきました。初めて手に取った瞬間、まず心惹かれたのは、どこか愛嬌があり、親しみやすさを感じさせる「コロン」とした全体のフォルム。
アウトドアユースを想定したサングラスが持つ、どこか武骨なイメージとは一線を画すものでした。
まるで、使う人の心にそっと寄り添うような温かみも併せ持っているように感じられたのです。それに、色づかいがとってもオシャレです。
「アウトドアの場はもちろん、日常の中でも使ってみたい!」。サングラスを手に取り、胸がワクワクしたことを覚えています。
これまでの私なら、サングラスをかけるのは登山やサイクリングなどの本格的なアウトドア活動くらいでした。でもこのサングラスは、アウトドアの場はもちろん、「ちょっとそこまで」のごく日常的なシーンでも、同じように気軽に使用できます。いつもの散歩道、買い物、子供と公園で遊ぶ時間。そんな何気ない瞬間にも、このサングラスをかけると気分が上がり、見慣れた風景が新鮮に見えるようになりました。
サングラスをかけていると、私の二人の子供たちが大興奮。「スゲー!」、「かっこいい!」、「僕もかけてみたい!」。サングラスをかけた世界がどう見えるのか、試してみたいと言うのです。
そんな時、以前の私なら、子供たちに手渡すのを躊躇したでしょう。サングラスとは〝壊れやすいもの〟というイメージがあったからです。しかしこのサングラスは、フレームもレンズも素材が非常に丈夫で、ちょっとねじ曲げてしまったり、地面に落としてしまっても、壊れないだろう耐久性があります。
大丈夫、簡単には壊れない!という安心感のもと、私は子供たちの手にサングラスを渡しています。

代わる代わるサングラスをかけてみて、子供たちは大喜び。小さな顔には少し不釣り合いな大きなサングラスが、なんとも微笑ましく、見ている私まで自然と笑顔になりました。
また、このサングラスが広いシーンで大活躍しそうだと感じるのは、デザインや安心の耐久性だけではありません。細やかな部分にも、作り手の工夫と愛情が感じられるのです。
例えば、レンズの濃さの豊富なバリエーションです。使用する場面や個人の好みに合わせた、レンズ色や濃度のラインナップが豊富に用意されています。

日常の様々なシーンで重宝するのは、光の眩しさをしっかりと抑えつつも、視界が必要以上に暗くなりすぎない、絶妙なバランスの濃度のモデルです。屋外から屋内へ移動した際、サングラスを頻繁にかけたり外したりする煩わしさを軽減してくれます。一方アウトドアの場では、紫外線や太陽光からがっちり目をガードするべく、レンズ色の濃いモデルが大活躍します。しかも、アウトドアで使用するモデルも、日常使いをしても使用感に違和感があまりないのが、このサングラスのすごいところです。
またシチュエーションによって、光の侵入防止のためのフードの着脱ができるのも魅力的な点です。私は日常使いではフードを外していますが、登山やハイキングなど、長時間日光の下で行動する際は、フードをつけるようにしています。これがあるかないかで、光による目の疲労具合も、だいぶ変わるようにも感じています。


また軽量性や、顔へのフィット感も見過ごせない要素です。長時間使用しても耳や鼻が痛くなりにくく、疲れにくい軽さです。顔の形に自然にフィットし、歩いたり少し動いたりしても、ずり落ちにくい安定した装着感もあります。こうした快適な使用感が、アウトドアでも日常でも、このサングラスを気軽に使えるアイテムにしてくれています。
このサングラスを使用してから二ヶ月ほどが経ちましたが、今では日々の生活になくてはならない、頼もしい相棒となっています。サングラスをつけて玄関を出る瞬間がたまらないのですよね。いつものちょっとした外出がとても楽しくなりましたし、女性用の可愛いサングラスって、今まであまりなかったんじゃないかな?と思いながら、サングラスをつけて太陽光を楽しむ日々です。
こんなに頻繁にサングラスを使うのは、ヒマラヤに登っていた以来の20年ぶりほどなのですが、サングラスを使用することで、視界が見やすくなり、目の疲労度が軽減されることを実感しています。意識していませんでしたが、目も着実に年齢を重ねていっているものなのですね。これまで随分、自分の目に無理をさせてしまっていたな、と思います。
さあ、これからこのサングラスと、どこへ繰り出そうか。
どんな風景を目にしていくのだろうか。そう考え、ワクワク感が止まりません。
この頼れる相棒と、野に山に海に、どこまでも繰り出していきます!
ドキュメンタリーフォトグラファー 小松由佳